かみんちゅのメモ

数学とかエンジニアリングとか

線形代数[linear algebra]

教科書

  • 原啓介 線形性・固有値・テンソル <線形代数>応用への最短コース (KS理工学専門書)
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1. 定義など

1.1 線形性1 - 線形空間とベクトル

  • (p27)$F$:「数」の集合。おおらかに言えば加減乗除の四則演算ができる集合、厳密には「体」
  • 定義1.1 集合$V$が$F$上の線形空間(ベクトル空間)であるとは、以下の性質を持つ
    • 自然な足し算と定数倍が定義されている空間であり、ベクトルはその元のこと。(要加筆)
  • 定理1.1 $F$上の線形空間$V$について以下が成り立つ
    1. 零ベクトルは一意
    2. 0倍は零ベクトル
    3. 零ベクトルのa倍も零ベクトル
    4. 任意のベクトルの逆ベクトルは-1倍で一意
  • ベクトルと線形空間の例:座標空間、数列、多項式、関数、線形微分方程式の解などが挙げられている。
  • 定義1.2 $V$の線形部分空間$U$
    • 同じ零ベクトルを元に持つ
    • ベクトルの和について「閉じている」
    • スカラー倍について「閉じている」
  • 定義1.3 線形空間の和:各線形部分空間の元の和全体で定義される
    • $V_1 + \cdots + V_m = \{v_1 + \cdots + v_m : v_1 \in V_1, \ldots, v_m \in V_m \}$
  • 定義1.4 線形空間の直和
    • 各$v$に対し$v = v_1 + \cdots + v_m$と書く$v_1 \in V_1, \ldots , v_m \in V_m$が一意に存在するとき、Vは$V_1, \ldots V_m$の直和であると言い、$V = V_1 \oplus \ldots \oplus V_m$と書く。
  • 定義1.5 (線形)独立と従属
    • $a_1 v_1 + \cdots + a_n v_n = o$を満たす$a_1, \ldots, a_n \in F$が自明なもの、つまり$a_1 = \cdots = a_n = 0$のみに限られるとき、これらのベクトルの組$\{ v_1, \ldots, v_n\}$は(線形)独立である、独立性を持つ、などと言う。
    • 独立でないとき、すなわち非自明な$a_1, \ldots, a_n$が存在するとき、これらのベクトルの組は(線形)従属である、従属性を持つ、などと言う。
  • 定義1.6 ベクトルの生成する線形空間
    • $span\{v_1, \ldots, v_n\} = \{v \in V: v = a_1 v_a + \ldots + a_n v_n, a_1, \ldots, a_n \in F \}$
    • 集合$span\{v_1, \ldots v_n \}$は$F$上の線形空間だから、これをこのベクトルの組で張られた、または生成された線形空間と呼ぶ。
  • 定義1.7 ベクトルの組が$V$を張る、または$V$を生成する
    • $V$のベクトルの組$\{v_1 \ldots, v_n \}$の生成する線形空間$span\{v_1, \ldots v_n \}$が$V$自身と一致するとき、この組は$V$を張る、または$V$を生成すると言う。
  • 定義1.8 有限次元、無限次元
    • $V$が有限個のベクトルの組から生成されるとき、$V$は有限次元であると言う。
    • そうでない場合無限次元であると言う。
  • 定義1.9 基底
    • $V$を張る独立なベクトルの組のことを、$V$の基底と言う。またこの組に属するベクトルを基底ベクトルと言う。
  • 注意1.2 ベクトルとその成分表示
    • $v = a_1 v_1 + \ldots + a_n v_n$であるとき、
      \(\mathcal M(v) = \left( \begin{array}{c} a_1 \\ a_2 \\ \vdots \\ a_n \end{array} \right)\)
      のように$\mathcal M(v)$と書く。
    • i番目の成分は$M(v)_i = a_i$のように書く。
    • 特に基底に依存していることを強調したいときには、$\mathcal M(v;(v_1, \ldots, v_n))$のようにも書く。
  • 定義1.10 次元
    • 有限次元空間$V$の基底ベクトルの個数を$V$の次元と言い、dim$V$やdim$(V)$と書く
    • 特にdim$\{ \mathbf{o} \}$は0と約束する。

1.2 線形性2 - 線形写像と行列

  • 定義2.1 線形性、線型写像
    • $F$上の線形空間$V$から同じく$F$上の線形空間$W$への写像$L$で、以下の性質を満たすものを、線形である、線形性を持つ、線型写像である、などと言う。
    • 任意の$v \in V$と$k \in F$について$L(kv) = kL(v)$
    • 任意の$u,v \in V$について$L(u+v) = L(u) + L(v)$
  • 定義2.2 像、核
    • $V$から$W$への写像Lによる定義域$V$の像を$L$の像と言い、$Im(L)$と書く。
      つまり$Im(L) = \{L(v) \in W : v \in V\}$
    • $W$の零ベクトル飲みの集合$\mathbf{o}$の逆像のことを$L$の核と言い、$Ker(L)$と書く。
      つまり$Ker(L) = \{v \in V: L(v)=\mathbf{o} \}$
  • 定義2.3 回数、退化字数
    • 線型写像$L$の像が有限次元であるとき、その元を$L$の階数と呼び、$rank(L)$と書く。すなわち$rank(L) = dim Im(L)$
    • また$L$の核が有限次元であるとき、その次元を$L$の退化次数と呼び、$nullity(L)$と書く。すなわち$nullity(L) = dim Ker(L)$
  • 定義2.4 線型写像の可逆性、逆写像
    • 線型写像$L:V → W$に対し、もし線型写像$L’:W→V$で$L’L=I_V$かつ$LL’=I_W$が成り立つものがあるとき、$L$は可逆であると言い、この$L’$のことを$L$の逆、または逆写像と言い、$L^{-1}$と書く。
  • 定義2.5 線形空間の同型
    • $V$と$W$の間に可逆な線型写像が存在するとき、$V$と$W$は同型であると言い、$V \simeq W$と書く。
  • 定義2.6 線形汎関数と双対空間
    • $F$上の線形空間$V$から$W$への線型写像全体の集合$\mathcal L(V;W)$を、和とスカラー倍を定義した線形空間として考える。
    • $F$上の線形空間$V$から$F$への線型写像を特に線形汎関数、または線形形式と言う。
    • この線形汎関数全体のなす線形空間$\mathcal L(V;F)$を$V$の双対空間と良い、$V^*$とも書く。
  • (p62) クロネッカーのデルタ$\delta_ij$
    • $\delta_ij$は$i=j$のときは1、$i \neq j$のときは0を表す。
  • (p64) 線型写像とその成分表示
    • TBE

2. 各種定理・証明

定義を用いて、特に重要と思われる証明を載せていく

2.1 双対基底 (p62 定理2.9より)

TBE

2.2 線型写像とその成分表示(p63~)

TBE